【不登校】子供のサイン見逃していませんか?

不登校

子供が不登校になった時、親からするとある日突然のように感じることもあると思います。しかし、子供はある日突然不登校になっているわけではないのです。

「学校行きたくない」という子供の心の声を、ただの甘えと捉えて、子供の心に耳を傾けることができない親も多くいるのではないでしょうか。

親としては、「学校に行きたくない」と言われると、「具合が悪いわけじゃないんだから行きなさい!」と泣いているわが子を無理やりにでも、学校に行かせてしまうこともあるでしょう。

そんな時の親は、こんなことで1度休ませてしまったら、休むのが当たり前になってしまう。そして、頻繁に休むようになるのではないかという不安を感じてしまうのです。だから、子供の必死の訴えも、受け入れるわけにはいかないという心理が働いてしまいますよね。

この時点では、我が子が「不登校」になるだなんて、これっぽっちも考えていない。むしろ、休ませたら不登校になるといった不安の方が大きいものだと思います。

もちろん私も例外ではなく、とにかく必死に、まったく起きない次男くんをたたき起こし、幾度となく無理やり学校に連れて行った時期がありました。当時は、次男くんがただ休みたいだけで、不登校の3文字は頭の片隅にもなかったのです。

我が家の次男くんは、今思い起こせば、小学校2年生の3学期から朝起きない(起きれない?)とか頭痛や腹痛を度々訴えるなどという不登校の前兆がありました。しかし、私はまったくそれが不登校の前兆だとは気づきませんでした。とにかくただ行きたくないだけ、怠けたいだけだと思っていたのです。

特に冬休み明けの3学期は、朝も寒いし、マラソンもあるし、それらがイヤで行きたくないのだと勝手に思っていました。

次男くんの場合、それ以降6年生まで毎年、4月になると普通に登校し、また3学期になると休みがちになるというサイクルを繰り返していました。

こんな状況になっても、私は次男くんの状況に気付かない呑気な母親でした。ただ、毎年恐怖の3学期といった感じくらいにしか捉えていなかったのです。

毎年3学期になると、ほとんど毎日、朝から怒っている私がいました。

これも今思えば、本当にどうしょうもない親であったと思うのですが、当時はとにかく必死だったのです。次男くんが毎朝起きなかったり、グズグズしていたら、私の仕事の時間にも間に合わなくなるってこともイライラの原因になっていたと思います。

次男くんは、なんでこんなに当たり前のことが当たり前にできないのか、いったいどんな大人になろうとしているのかと責め立てたこともありました。なんだか無性に情けなくて、腹が立って仕方なかったのです。

きっと、起立性調節障害もあったのだと思います。

これも、私自身、大学で働いていた20年以上前、学生に起立性調節障害の子が居たので、そういう病気があることも知識としては知っていました。でも、なぜか、自分の子供がそうであるかもというところに、なかなか結びつかなかったのです。

ようやく、実は起立性調節障害なのかもと思ったのは、こんな3学期を2年過ごし、次男くんが5年生の3学期になってからでした。

その頃、どこで検査してくれるのかもわからなかったので、とりあえず近くの大学病院の小児科に連れて行ったのです。

しかし、このくらいの子たちは、検査をすればだいたいそれになるといわれ、検査もしてもらえずに帰ってくることになりました。

結局、起立性調節障害と診断を受けたわけではないので、実際はわからないままでした。でも、もう、次男くんは起立性調節障害なのだと思うことにすると決めて対応することにしました。この時病院に行ったのは、今でも、本当に無駄だったと思います。しかし、かろうじて、「このくらいの子が検査すればだいたいそれになる」という言葉があったために、自分の中でそれと決めるきっかけになっりました。次男くんは起立性調節障害だから、朝起きないのではなく、起きれないのだと思うだけで、少し私のイライラが軽減されたことが唯一利点だったのかもしれません。

そして、次男くんが不登校予備軍であるという認識になったのも、この頃ようやくです。もっと早く気がついて、次男くんの気持ちに寄り添うことができれば、きっと、次男くんも私ももっとラクに過ごせたかもしれません。

そもそも不登校なんて、親が甘いだけ。学校に行かせないなんてありえない。自分だったらどんなことしても学校に行かせる。そんな外野の声は私自身も思っていたことです。でも、実際に子供が不登校になった時に、そんな外野の声はどうぞ聞かないでください。きっともう既に、あらゆる手段を駆使して、子供がどうにか学校へ行けるように頑張っている親ばかりだと思います。こんな時こそ他人は他人と割り切って、現在の子供に何が一番なのかを一緒に考えていきましょう。

何でもそうですが、結局そうなった人にしかわからないことがあるものです。私は、正直傷の舐め合いは好きではありません。でも、経験したことのない人がなんだかんだとあたかも不登校に正解があるような発言をしているのもどうかと思います。不登校の子が100人居れば100通りの寄り添い方があると思うので、一概に無理にでも行かせるべきだとか、見守るのが一番だとかそれはどちらも正解でどちらも不正解だと思うのです。

どうぞ、自分の子供も不登校になる可能性があるんだということを頭の片隅に置いておいてください。

そうすることで、きっと子供を追い詰めてしまうことがなくなり、より豊かな人生を歩む力を育めるのだと思います。

 

ここによく言われている不登校の前兆を参考までに少し記しておきます。

1.朝の様子

  • 起きるのが遅く、登校時間になると動作が鈍くなり、遅刻や欠席が多くなった。
  • 登校時間になるとよくトイレに行くようになった。
  • なかなか起きなくて、親が無理に起こそうとすると反抗的・攻撃的になった。
  • 自分で服を早く着ようとしないなど、支度に時間がかかることが多くなった。
  • 頭痛や腹痛(下痢や吐き気)が多くなり、欠席することも多くなった。
  • 月曜日や休み明け、特定の曜日に登校を渋ったり、言い訳をすることが多くなった。
  • 友人にいじめられるから行きたくないなど、言い訳をすることが多くなった。

2.家庭生活での変化

  • 欠席の日は登校時間が過ぎるとだんだん元気になることが多くなった。
  • 母親に対して甘えが強く出たり、逆に反抗的・攻撃的な態度をとるようになった。
  • 学校や勉強のことを言うと、ひどく不機嫌になる。
  • 偏食が多くなった。
  • 家であまり口をきかなくなった。
  • 家の中だけで遊ぶことが多くなった。
  • 他人を必要以上に気にするようになった。
  • 好きなこともあまりしなくなるほど、何事もやる気がなく、無気力になった。

その他にもいろいろあるでしょうし、発達凸凹の子やHSCの子などが不登校になりやすいとも言われています。病院でもどこでも繋がれればそれが一番いいのかもしれません。でも、うまく繋がれない場合もあると思います。まずは不登校にさせないと意気込むのではなく、不登校の前兆があった時に、いかに子供の心と向き合うかが、その子にとって何が一番良いのかがわかってくると思います。

不登校であっても不登校でなくても、子供たちは今日も必死に生きています。支えてあげられる親や社会であることを望みます。